場合の数を苦手から得意にする3つのポイント

今回は小学校の高学年でよくあるお悩みのひとつである、場合の数を苦手から得意にするための勉強のポイントについて解説します。
私も経験がありますが、場合の数の問題で数え上げがきちんとできず間違える、そもそもどうやって数え上げたらいいかわからない 等、大人でも子供でもお悩みの方が多いのではないでしょうか。
数え上げに入る前の考え方を整理することで、誰でも苦手意識をなくせるようになります!

場合の数はなぜ難しいのか

場合の数は、主に中学入試で複雑な問題を解く上で重要なテーマです。難関校では必ずと言っていいほど出題されています。

灘中2023年の問題
https://sansu-seijin.jp/nadakaisetsu/2023-nadakaisetsu/17687/

筑波大付属駒場中2021年の問題
https://sansu-seijin.jp/nyushimondai/2021-nyushimondai/16994/

上記の問題もそうですが、場合の数の問題は複数の条件や制限が設けられている場合が多いため、その条件や制限を正確に理解し、それらを考慮しながら計算することが必要です。これにより、計算過程が複雑になり、理解するのが難しくなります。

また、場合の数は当たり前ですが正確な数字を数え上げて求める必要があります。数え上げのやり方や計算方法を正確に選択することが重要です。

例えば、以下の①と②では似たような問題ですが数え方は大きく違います。

①A, B, C, D4名から3人を選んで一列に並べる並べ方は何通りありますか
②A, B, C, D4名から3人を選ぶ選び方は何通りありますか

①はいわゆる順列、②は組み合わせですが、この選分がうまくできずに例えば①を組み合わせで、②を順列で解いてしまうということも起こりがちです。

まとめると、そもそも問題自体が複雑になりがちであること、そのアプローチを間違えてしまう 等の理由で場合の数の問題はそもそも難しいと言えます。

では、場合の数の問題はどのように攻略すればよいのでしょうか?

場合の数を得意になるためのポイント1:「何を数えなければいけないのか」を正しく理解する

まず、問題文から何を数えなければいけないのか?を正しく読み取れないと正解にはたどり着けません。
先程のA, B, C, Dを並ばせる問題のように単純なものであれば読みやすいですが、特に難関校の問題などでは条件や前提の説明がそもそも複雑で、数え上げの前に状況が正しく把握できない ともなりがちです。

例えば、数え上げに入る前に問題では何が起こっているのかを図に表す、書き出してみる等で整理してみるのが有効なアプローチです。

場合の数を得意になるためのポイント2:1個1個数え上げないやり方を頭に入れておく

場合の数の問題の場合、よく樹形図を書いて求めようということが言われます。

決して間違ってはいないですし最初のうちはそれでもよいのですが、問題によってはパターンや公式があるのでそれを頭に入れておくと数え上げを簡単にこなすことができます。

例えば先程の問題で言うと、

①A, B, C, D4名から3人を選んで一列に並べる並べ方は何通りありますか

これは順列と呼ばれるジャンルの問題ですが、並べる枠に何人当てはめられるか?と考えて計算で解くことができます。
今回3人を並べるので、枠は3つです。

一番前の枠:ここにはA-D誰を入れても問題ないので、4通りの入れ方があります。
2番めの枠:ここには、1番前に入った人以外を入れることになります。がそれ以外の制約はないので、4-1=3通りの入れ方があります。
3番めの枠:ここも2番めと同じで、1, 2番めに入った人以外を入れることになるので、4-1-1=2通りの入れ方があります。

枠同士で例えば「AとBを近づけない」等の制約はないので、1番目の枠の4通りそれぞれに対して2番めの枠3通り、3番めの枠2通りが存在します。

よって計算すると、

4*3*2=24 通りが答えになります。

これを
A-B-C
-D
-C-D
のように24パターン全部書き出すのは大変ですよね。

ただでさえ問題が複雑になりがちだからこそ、省エネできる部分は省エネすることが重要です。

場合の数を得意になるためのポイント3:問題に限らず、普段から考え方を実践する

場合の数を計算する問題は、日常生活やビジネスにおいてもよく使用されます。社会人になるとよく「抜けもれなく事柄を整理する」ということを言われますが、ここには場合の数の考え方が非常に活きてきます。
難関校で出題が多いのも、(将来社会で活躍するであろう)入学者にそのような素養があるかを確かめたいという意図もあるのではと推測します。

逆に言うと、机に向かっていなくても数え上げや整理の場面は頻繁に出てきます。
普段から「これを数えるにはどうすればいいのか」「全部でこれは何パターンくらいあるのか」等、イメージをすることで考え方やそのアプローチに慣れることができます。

まとめ

いかがでしたか?
なかなか一朝一夕に得意になるのは難しい!と思うかもしれませんが、まずはアプローチを改善することで突破口が開けると思います。ぜひ試してみてください!

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